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【食コラム】大輪のヒマワリも名も知らない雑草も生きる価値は等しい

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2008年08月27日

塩川恭子の食コラムヒマワリ(向日葵)は夏の花。俳句の世界では夏をあらわす季語。春は桜、秋はコスモス(秋桜)と並んで誰もが答えられる季節の花のひとつです。もっとも最近は花の世界も栽培技術が進み、四季折々の季節感が薄れてきているうえに春雨のようにシトシトどころか熱帯化した集中豪雨で、雨に打たれた花は無惨です。

真夏の強い太陽が似合うヒマワリ。紺碧の空と地平線までつづく黄色の波、というヒマワリ畑の図は南仏やスペインを想像させますが、原産地は北アメリカ。コロンブスの時代にスペインへ渡来し、シルクロードを経て日本への伝来は17世紀、江戸文化華やかな元禄時代だそうです。中国大陸を列車で旅したとき、隣り合わせのご縁でと大きなポットのお茶と、茶の友ヒマワリの種をいただいた。そう昔のことではないのに、昨年旅した友人によるとペットボトル入りの緑茶とクッキーだったそうですが……。

このヒマワリから搾った油は、オレイン酸が多く、健康油として注目されています。パーム油、大豆油、なたね油に次いで植物油脂としての生産量が多い。そして今、高騰し続ける大豆やなたねに代わってバイオ燃料への転用研究が急ピッチで進められているのだそうです。食糧かエネルギーか、この夏の花にも価値観のせめぎあいが押し寄せてきています。

塩川恭子の食コラム

名もない雑草?は立派な名前がある

人類が長い長い歴史の中で培ってきた自然に関する知識。共に生きる智恵は計り知れません。それは自然への畏敬、愛に根ざしたものといえるでしょう。

今、自然と人間のつながりは希薄どころかズタズタにたち切られています。

生物多様性という言葉が日本で市場権を得たのは1992年、リオデジャネイロの国連環境会議が開催された頃からです。「生物多様性の喪失」という獏とした用語が現実味を帯びてきたのは、それほど自然が悪化の一途をたどっているからに他なりません。

自然が少ないという都会のどんな小さな庭先でも90から100種以上の植物が数えられるといいます。雑草のようにはびこる。名もなき植物などとひとことで語られてしまう雑草とは一体何なのでしょうか。

生食用の野菜、出荷用の花。人が何かの目的を持って植物を育てるとき、それを邪魔する存在は「厄介な雑草」として排除されてしまう。作物も育てず、ひたすら分けて頂いている身としては、生産者の皆さんのご苦労にただただ感謝するのみではありますが、ちゃんと名前もあり、各々の生活を営んでいる雑草さんの気持ちも考えてしまうので
す。そんな話を郷田實さん(前、宮崎県綾町町長、故人)にしたことがありました。「ヒトは自然を略奪するばかりで何も返さない。必ずしっぺ返しがきますよ」と天を仰いだ郷田さんが案内してくれた自園のみかん畑。見事な雑草が生い茂った畑の中にたくましく育ったみかんの樹。

「自然界に役に立たない存在というものはひとつもないのです。草は地球のビロード。やがて自分たちの役割が必要でなくなったときには自然に消えていくのですよ」――自然農法。郷田さんの目指した自然と共生する農業の原点でした。

投稿者: 食の学校 日時: 2008年08月27日 21:00 | パーマリンク

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