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【会員リレートーク】 008 - 桜野園 ・ 松本 里実さん

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2009年01月13日

008-kazouku.jpg 松本家、勢ぞろい

熊本県水俣市にて、じいちゃんばあちゃん、夫と私、子ども2人の家族6人でお茶をつくっています、桜野園です。梅元さんからのバトンを受け取ったまま、大変遅くなりましてごめんなさい。

今回は、私(嫁)の立場からですが、桜野園の近況を皆様にご報告したいと思います。

簡単に自己紹介しますと、私が水俣に嫁いできたのは、7年前のことになります。当時学生だったのですが、若気の至りでしょうか…、バイク(といってもカブ号)で九州を旅行中に出逢った、松本和也さんとの結婚をわずか2週間で決め、卒業と同時にこちらにやってきました。

ナンということ!でしょう。でも私は、この里の、水が流れ石垣が築かれ、その脇に畑があり手入れされた花が咲き、そんな風景に、ここに住むのだろうという予感がしたのです。

和也さんは当時34歳で、私の12歳年上になります。とにかくよく食べ、ほいほいと美味しいものやら、楽しい遊びやらの誘いに腰軽く動く人でした。農家であってこの人脈の広さは、なかなかに自慢できるものでしょう!何せ、お茶の試験場を卒業して以来、農閑期の冬には北海道から沖縄まで、ひいては外国にまで、様々な方に一宿一飯の恩義をお返ししながら、遊び歩いてきたのですから…。

子供時代には、試験の前の日だって関係なく野山、川での遊びに熱中していた人で、机の前に向かうのは大の苦手、メールひとつ返すのだって、何十分もかかってしまうような感じ。難しい話は片耳で聞いて、漫画とテレビは大好き!なそんな人でした。

ちなみに、お茶は4代目。無農薬、無化学肥料栽培に変えたのは、お茶の仕事をはじめて農薬を使うことに疑問を感じ、これも腰軽く知り合いのトラック運転手の車に乗って、静岡の茶園を見に行ったことがきっかけでした。それから、親と格闘しながら(というかかなり強引に)無農薬のお茶づくりをするようになりました。
数年前に食の学校で無肥料栽培と出逢い、これまた「これからは無肥料だ!」と直感したようで、現在は茶園の3割くらいで無肥料栽培を実践しています。 

008-cha_en.jpg 茶畑

そんな和也さんが、二年前から羽ばたいています!!(いや~、前置きが長くなりすぎました、すみません^_^;)もういい年齢になってきましたので、いろいろな役が回ってくるお年頃なのです。それで抜擢されてしまったのが、JAあしきたの青壮年部長。私たちはお茶の小売をしていますので、農協にお茶は納めていないのですが、いただいた役。それから、やれ会議だの、やれ大会だのとよく出て行くようになりました。
 
大きなきっかけは、ある秋の日に、「「お茶の日」みたいのってないよね」という話になりました。現在お茶の価格は低迷する一方で、毎年下がっていくお茶の価格に皆が嘆き、身近な農家がお茶をやめていく可能性が出てくるようになりました。そこで試験場時代のお茶の仲間に1軒1軒電話をかけ始め、それから毎日いろんな人に電話をかけまくり。そして昨年11月23日、全国一斉お茶いっぱいの日、ということで全国各地でお茶のおもてなしが行われました。

急須でお茶を淹れなくなった、やかんもポットもない家だって、最近は珍しくありません。日本のお茶の文化がすたれ、ペットボトルのお茶は売れても、リーフのお茶は売れずにお茶の供給は完全に飽和状態です。まずは、お茶農家が家族総出で、皆様に急須でいれたおいしいお茶を飲んでいただくことから始めねば、何かしなければ何も変わらない、「気づいた人の責任」だそうで、今後もこの取り組みを盛り上げていきます。

また地元では、給茶スポットを設け、市内のそこここでおいしいお茶が手ごろな価格で飲んでいただけるようにする取り組み(マイボトルでごみ減量にもつながる)や、「スイーツスタンプラリー」という、水俣市内のお菓子屋さんをお客様がめぐってお菓子を食べる年1回のイベントには、お茶とお菓子ということで、お茶の振舞いをさせていただいています。

さらに、地道な取り組みとして、やはり皆様にお茶のおいしいいれ方をお伝えすることがとても大切になってきます。ステレオタイプの何g何分といういれ方ではなく、それぞれのお茶に適したいれ方、もっと言えば自分がつくったこのお茶には、こんないれ方がおいしいですよとか、お客様のその日の気分や体調に合わせて楽しむいれ方をお伝えすること。お茶がつくられる過程や茶園の様子など、私たちの暮らし丸ごとを皆様に知っていただき、ささいな疑問でもぶつけていただいて、また私たちの気づきにして前進していけたらと思っています。

その他、このお茶の低迷状況を打破する取り組みとして、JAあしきたで無肥料栽培のお茶を売り出すことを考えています(まだ今後の行方は分かりませんが)。また、生前とても親しくしていた、出水アサクサノリをつくっていた古賀さんの遺志を継ぎ、出水の無酸処理の海苔が続いていくよう、食の学校の応援をバックに、お役に立てるようがんばっていきたいと思っています。

008-kazuya_san.jpg 2007年トレードショーでの松本和也さん
 
さて、そんなこんなで毎日バタバタと忙しい和也さんです。一方私は、こちらに嫁いできてから、松本家のお茶を何とかしていかねばということで、農協や組合にお茶を出すことから、桜野園としてのお茶の販売を始め、家族3人4脚でがんばってきました。小売の仕事や子育てや家事をこれまで懸命にしてきましたが、もともとは料理や食品加工の仕事に興味があり、農家レストランとか加工所をするとか、自分に何ができるか思案していました。

がんばっている和也さんを横目で見ながら、私も何かしたい!とふと思い立ったのが、旬の野菜の料理クラブ。私が和也さんといくらけんかしても、しぶとくここにいたいと思うのは、松本家のみんなの人柄と、この土地の食材が大変豊かで、食いしん坊の私にはこたえられないという貪欲な理由なのですが、そんな食材を活かして、お母さん友達と料理ができたら楽しいだろうな…と思ったのです。特に最近の私は、大根1本抜くのにも、抜くからね~、ごめんね~と声をかけてしまうぐらい、野菜を愛していますので、肉や魚の添え物ではなく、野菜をメインに楽しく美味しく、かつ主婦ですので、簡単につくれる!というところを重要ポイントに、これからぼちぼちしていきたいと思っています。

最後になりますが、親戚であり地元学の提唱者でもある吉本哲郎さん(次回、食の学校のセミナーでお話されます)が、経済には物々交換の経済、助け合い協同する結い、もやいの経済と、貨幣経済の3つがあるとおっしゃいます。水俣に来て、それがよく分かります(ちなみに食の学校のお仲間とも、お茶とおいしいものを交換させてもらっています(*^^)v)。

私もこの地で少しずつ年を重ね、お金では買えない、お客様の信頼だったり、地域の信頼だったり、当たり前すぎてしまうけれども、日々の思いやりが積み重なって、とても大切な家族や親子や夫婦の信頼があること、この自然の恵みも、体や心の健康も、あったかい手づくりの手間ひまも、ゼロ円の価値は本当にありがたくて、続いてきた命やつながりの結果なのだと感じます。これからも、そんな小さな幸せが続いていくように、大切な価値が続いていくように、お茶をつくりながらこの地でがんばっていきたいと思います。

008-syouhin.jpg 桜野園のお茶たち

桜野園
〒867-0116
 熊本県水俣市薄原 1541
 tel : 0966-67-1715
 fax : 0966-67-1134

 ・all about ”さくら紅茶”

次は、八木澤商店の河野通洋さんにバトンを渡します。よろしくお願いしまーす!! 

投稿者: 食の学校 日時: 2009年01月13日 16:10 | パーマリンク

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